十一面観音
阿弥陀如来
聖観音(立像)
不動明王(坐像)
松久朋琳・宗琳師に師事 精神的こころの壁を 仏教彫刻に重ねる
師匠の心の広さに感謝し仏を彫り続ける
1959年(昭和34)新潟県新津市に生まれる。子供のころから喘息を患い、性格も自然に内向的に。その幼い胸中に「禅宗の永平寺の坊さんや仏を彫る仏師への憧憬の念」が宿っていた。仏師を目指したのは、テレビで偶然見た国宝修理の番組だった。高校3年の1年間、京都の大仏師松久朋琳・宗琳師の通信教育を受け、卒業と同時に晴れて両先生の内弟子となる。 特に宗琳先生には常々、古典の勉強をし肌で感じることを愉される。「師匠は自分のやり方を押しつけず、勉強で得た知識を認めてくれる心の広さを持っていました」と、当時を振り返る康萌さん。10年後の1987年に独立。滋賀県甲賀市に工房を構え、仏師の道を歩む。
溝井康萠(みぞいこうほう)
新潟県新津市に生まれる
県立村松高校卒業後、京都の大佛師・松久朋琳、宗琳に師事
独立。大佛師・松久宗琳佛所同人 NHK大阪文化センター講師
現代佛師協会会員
現代佛師作品展(大阪三越にて開催)に出展
新潟三越にて初個展
東武百貨店池袋店にて個展開催
聖域としての仏像の魅力を在家の方々に伝えたい
幼いころ精神的に弱かったと語る康萌さん。今の願いは在家の人に仏像の魅力を伝えることだ。「仏壇や仏間でなくてもいい、書斎や机の上、寝室でも――身近なところに仏像を置くことで自分だけの聖域をつくる」。例えば左の写真がその一つである。扉を閉じると小さなオルゴールのように見える可愛い箱型の仏像だ。箱の上には採光を取り入れるガラスがあり、蓮の花の中の仏を照らすようになっている。在家の人からの依頼が多い康萌さんならではのアイデアだ。「私自身、人生経験は未熟ですが、仏像はその時代の思想や世相を映し出していると思っています」。