釈迦如来
韋駄天
聖観音菩薩立像
不動三尊
創るほど深く遠い道 仏師として未だ道半ば 道しるべとしての御仏を彫り続ける
松本明慶師に入門、現在は亀岡市に工房を構える
1986年、京都の美術工芸高校彫刻科を卒業後に京仏師の松本明慶仏像彫刻工房に入門。13年後の99年に独立、のどかな田園が広がる京都府亀岡市の郊外に工房を構える。 「仏像には特別な力があります。作者の手を離れて祈る人のその時々によって、新たな生命が吹き込まれればいい」と語る孝光氏。生きている素材としての木材を再度新たな条件のもと、一体の仏像として生かす。そのため、木材の選定と手入れには手抜きや妥協を許さない厳しい心であたる。 平安、鎌倉時代からの仏師の崇高な伝統を受け継ぎ磨きをかける。決してあぐらをかくことなく、時に新風を吹き込む。百年先、千年先を見つめて…。
宇野孝光(うのたかみつ)
大阪府枚方市にて出生
京都市立銅陀美術工芸高校彫刻科卒業と同時に、
京仏師・松本明慶仏像彫刻工房入門
京都仏像彫刻家協会主催・第35回京都仏像彫刻展に初出品、
奨励賞を受賞(一尺地蔵菩薩立像)
第36回京都仏像彫刻展に於いて、奨励賞を受賞
(八寸毘沙門天立像)
第37回京都仏像彫刻展に於いて、京都府仏具協同組合賞を受賞
(一尺二寸毘沙門天立像)
独立、京都府亀岡市に工房を構える
市美術展に於いて、奨励賞を受賞(八寸聖観音立像)
大本山相国寺の宣明修復に於いて本尊跋陀婆羅菩薩像を納める
相国寺別院・金閣寺道場(東京)本尊韋駄天を納める 市美術展に於いて、理事長賞を千宗室より受賞(文殊菩薩半跏像)
市美術展に於いて、特別賞を受賞(慈母観音像)
亀岡湯の花に鹿野苑工房を構える
慈照寺銀閣圓通殿本尊、聖観音菩薩像を納める
仏像を彫ることで私自身、 慈悲に触れているのかも知れない―。
「仏像は祈る人の心に響いて勇気と慈悲をもたらし、心に温もりを与えてくれます。それが仏像のすばらしさだと思います」。そんな仏像を創れば創るほど、深まり遠くなる道。仏師としてひたすら歩み続け、未だ道の途中と振り返る孝光氏。「仏像を彫ること、それは私にとって、生きている証であり、御仏が導いてくれた道しるべのようなもの。私自身、御仏の慈悲に触れているのかも知れない」。そして、「肉体も精神も、過去も現在も未来も、心のまま、宇宙を行き交う仏師でありたい」。―と孝光氏は語る。